今回、視察研修の出張の最後はNotre-Dame大聖堂の燃え盛る炎となってしまいました。
世界中の人々があの大聖堂の信じられない光景に言葉を無くしたのではないでしょうか、、、

帰国の日、、最後のボーヌでのtapestryの視察に向かう前に、、、ホテルから手を合わせてしまいました。

あの大聖堂が蘇り、、、ずっとずっと繋がって行きます様に。祈


最終日、ボーヌのTapestryの視察は、私が責任者となりました。
Beaune(ボーヌ)のHotel-Dieu美術館は、、元は病院でした。
今は美術館になっていますが、、フランドル地方のボーヌ近郊には16世紀、世界的なTapestryの工房がありました。パリのクリュニューに有ります(数年前に日本でも展示になりました)一角獣のTapestryもここフランドルの工房で織られたTapestryです。

あの一角獣のタピが制作される前に、ここボーヌで織られたミル・フルール(千の花)のTapestryの状態の視察でした。美術館の保存館で大切に保管されて来たTapestry。
写真のupは出来ませんので、、頂きました部分写真を、、。
IMG_6387

IMG_6388
素晴らしい、、素晴らし過ぎるタピです。
一角獣が織られる以前にこれだけのタピストリーを織る技術を持っていた工房。

大きさは、、、1m50cm×7m70cm。、、、私の縦機(Tapestryの)と同じ織り幅の織り機で7m70cmの長さを横位置で織られたTapestryです。経糸は一角獣と同じ、2本/cmで張られています。

修復は部分的には必要ですが、、素晴らしい状態で600年近い時を経て、今、色と織りがそのまま保たれていました。

↓のタピも保存館にありました。こちらは、、下部分に一度、修復された痕が有りましたが、、その修復部分の再修復が必要な状態でした。
FullSizeRender

美術館にも多数の16世紀のフランドル地方のTapestryが展示されています。
IMG_6335

IMG_6332

IMG_6331

IMG_6326
IMG_6325


↓は、、同じ綴れ織りのTapestryですが、、、凹凸を織り出している綴れ織りです。
IMG_6321
IMG_6314
より立体的に描いた絵を織り上げる為に、、、
組織織りを使はなくても、、織りの基本である二枚綜絖の綴れ織りで凹凸を織り出せます。
IMG_6312
不思議に思われるでしょうが、、、経糸を部分的に緩めて(反対に強めて)、平面的に織りたい部分の数倍の横糸を織りこみます。、、、織りこみ過ぎたこの部分は、織り上がり、織り機から下ろすと畝を現します。
その《畝》が凸となります。
IMG_6324
↓の平面的なTapestryと比べていただけると良く分かると思います、、、。
IMG_6316
個人的には、、、<描いた絵>が、、技法ではなく、、《Tapestryの命!》と思っていますので、綴れ本来の織りのTapestryが好きです。



今日、、母の納骨をします。
昨夜はテーブルの上に母をのせて(笑えますね。)、、いっぱいの燭台(ありったけ全部。笑)にローソクを燈して。
、、、初めて、、、初めて、、、寂しく感じました。

*四十九日より一週間長く我が家で留守番をしていてくれた母に、、「ありがとう!」を言って。*